人類進化のあの有名な絵は間違いだった?
人類進化をイメージした有名な絵があります。
左から猿、直立歩行した猿人、その後原人に進化し、脳が大きくなり旧人から新人
今の人間であるホモサピエンスへと段階的に進化したということを説明しています。
一番左はドリオピテクスで霊長類の類人猿です。
ドリオピテクスは類人猿のなかで一番古い化石類人猿で、チンパンジーやゴリラの祖先といわれています。
人間との関係はまだわかっていません。
次のラマピテクスは1932年に下顎の骨が発見された当時は、猿から人へ進化する過程にある猿人ではないかと
話題になったけど、1980年代に頭骨が発見され、オランウータンの一種だと判明したそうです。
なのでこの絵にかかれたラマピテクスの想像図は間違いだということになりました。
1960年代までは、このラマピテクスがアウストラロピテクスに進化したのではないかと真剣に研究されていたようです。
結局、ラマピテクスはオランウータンの祖先ということになりました。
人間の祖先ではなく、お猿さんの先祖だったということです。
三番目の猿っぽいけどいい感じで人間に近そうなのがオレオピテクスで、一番古い猿人の一種。
ほとんど猿ですけど。
数百万年生存していたけど、短期間で滅んだそうです。
ネアンデルタール人
そして、現代人の左側にいるのがネアンデルタール人です。
ネアンデルタール人から現代人は進化したのではないかと言われていたわけです。
ところがその後の分子生物学の研究によって、現代人とネアンデルタール人は共存していたことが分かりました。
さらに、現代人もネアンデルタール人のDNAをちょっとだけ受け継いでいることも分かりました。
混血していたということです。
50年まえにはこのような絵が信じられていたし、偶然発見される人骨を元に研究されていたので
その当時の研究成果を表現すると、こういう事が起きたのでしょうね。
そして、これらの常識を覆したのが分子生物学、DNA、遺伝学による研究です。
分子生物学、いわゆるDNAの研究の発展は、ここ十年くらいのことであり
いまでも教科書では古い進化の学説を載せているのもやむを得ないのかもしれません。
この絵にあるような直線形の進化ではなく、フラクタルな多様で複雑な分岐を経て
今の人類があると言われています。