東北・北海道は縄文先進地域【更新】
東北地方や北海道では縄文時代の遺跡がたくさん発掘されています。
縄文時代(草創期、早期、前期、中期、後期、晩期)の遺跡や、環状列石、周堤墓で構成された考古学的遺跡群があります。
2020年、北海道・北東北の縄文遺跡群として、世界遺産に登録されました。
北海道の縄文遺跡
- キウス周堤墓群(千歳市)- 晩期
- 北黄金貝塚(伊達市)- 前期
- 入江・高砂貝塚(洞爺湖町)- 後期~晩期
- 大船遺跡(函館市)- 中期
- 垣ノ島遺跡(函館市)- 早期
青森県の縄文遺跡
- 三内丸山遺跡(青森市、特別史跡)- 中期 - 縄文観を塗り替え
- 小牧野遺跡(青森市)- 後期 - ストーンサークル
- 是川遺跡(八戸市) – 晩期
- 亀ヶ岡石器時代遺跡(つがる市) – 晩期 - 遮光器土偶
- 田小屋野貝塚(つがる市)- 前期
- 大森勝山遺跡(弘前市)- 晩期 - ストーンサークル
- 二ツ森貝塚(七戸町)- 前期
- 大平山元遺跡(外ヶ浜町)- 草創期 - 世界最古級の土器片
縄文の常識を覆した三内丸山遺跡
特に縄文時代の常識を覆す発掘があったのが三内丸山遺跡です。
写真にあるような大型掘立柱建物跡は、縄文時代に大型の建物が存在したことが推定されました。
さらに、すぐ近くに大型住居跡が見つかり、巨大建築物を構築できたことは驚きでした。
この地域の縄文人は、他の地域と交流していたことも分かっています。
黒曜石は北海道十勝や、秋田県男鹿半島、長野県霧ヶ峰などのものを使っていました。
さらに、翡翠も糸魚川のものが見つかっています。
岩手県の縄文遺跡
御所野遺跡(一戸町)- 中期
秋田県の縄文遺跡
- 大湯環状列石(鹿角市、特別史跡)- 後期 - ストーンサークル
- 伊勢堂岱遺跡(北秋田市)- 後期 - ストーンサークル
縄文時代の草創期、大平山元I遺跡(青森)、表館遺跡(青森)、八茶沢遺跡(青森)日向洞窟遺跡(山形県)などの遺跡から隆起文土器が発掘されています。
大新町遺跡(岩手)、大館町遺跡(岩手)からは、爪形文土器が発掘されています。
櫛引遺跡(青森)からは、多縄文土器が発掘されています。
このように縄文時代の草創期に多くの遺跡が発掘されたのが青森を中心とする東北地方です。
日本列島と大陸とが陸続きだった約2万年前、行き来がしやすかった北方から多くの人々が日本列島に住み始め、それが青森を中心とした地域だったのでしょう。
それとも、7300年前の鬼界カルデラの破局噴火の影響で、九州地方の縄文人が逃げ場を求めて東北地方まで辿り着いたのでしょうか。